東京藝術大学大学院日本画第三研究室は国宝絵巻の現状模写事業を行っています。大学院生や修了生、研究室スタッフが制作にあたり、これまでに国宝「源氏物語絵巻」現状模写、国宝「伴大納言絵巻」現状模写を完成させました。そして現在、国宝「信貴山縁起絵巻」現状模写事業を進めています(2023年時点)。
完成した模写は東京藝術大学日本画研究室や各原本の所蔵先に収蔵され、国宝絵巻の精巧な代替展示品や、教育普及活動における古典絵画資料として活用されています。
古典模写は、日本画の可能性と未来を切り開く人材を育成するために欠かせません。古典模写を通して、原本の線描や彩色、構図などを徹底的に観察し、表現技術や表現内容について考えぬき、同時に和紙や天然岩絵具、天然染料や金属箔などの画材、筆や刷毛といった道具への理解も深めます。
国宝「信貴山縁起絵巻」現状模写事業は、日本の文化財保護と日本の伝統絵画技法継承にとって、大変有意義であると考えます。
皆様からのご支援によって、模写制作に携わる学生たちにより良い制作環境を与え、日本文化の発展と継承に寄与して頂けましたら幸いです。
また、2024年1月の東京藝術大学修了制作展では現状模写の完成披露会を開催する予定です。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
東京藝術大学大学院日本画第三研究室