本企画は、「新しいエコロジーとアート」をテーマに、現代におけるアーティスト、研究者ら双方の取り組みから、 エコロジカルな芸術実践に光をあてる展覧会です。
人間の活動が自然に大きくおよび、地球環境を変化させてしまった時代である「人新世」において、人間中心主義や過度な資本主義により、自然環境のみならず、私たちをとりまく社会や精神的環境までもが持続不可能の危機にさらされています。
このような状況の中で、アーティストたちは、これらの環境を総合的にとらえた「新しいエコロジー」を調査、観察し、新しい美学を通して、人々に伝える媒介、翻訳者となる役割を担っています。
アートは、Sensory Learning(感覚を通した学び)によって、見る者の身体、意識や感性に働きかける「ミクロ」な視座と、データや情報証拠に基づいて私たちの世界を取り巻くリアリティを可視化する「マクロ」な視座を提示することで、私たちの生き方や考え方に影響を与えていきます。
これからのアートは、分断された私たちを「共感」でつなぎ、動物や植物、モノなどを含む脱人間中心的な、複数のヒューマニティの可能性をさぐるものとなります。
本展は、ポストコロナの時代に新しい考え方、生き方を模索する私たちに差し出されたコンパスのように、さまざまな指標、ヒントをあたえてくれることでしょう。
【展覧会概要】
「新しいエコロジーとアート」展
会場:東京藝術大学大学美術館 本館3F(上野)/The 5th Floor(根津)
会期:2022年5月28日 (土) 〜6月26日 (日) *月曜休館
開館時間:東京藝術大学大学美術館 10:00 〜17:00
The 5th Floor 11:00〜18:00
入場料:一般 1,000円、大学生 500円 ※高校生以下・65歳以上無料
主催:「Art & New Ecology」実行委員会、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科
助成:公益財団法人野村財団、公益財団法人花王芸術・科学財団、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団、藝大フレンズ賛助金
協賛:株式会社 CyberZ、株式会社 OEN、一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン、
協力:小山登美夫ギャラリー、MAHO KUBOTA GALLERY、株式会社協進印刷
展覧会ホームページ:https://newecology.geidai.ac.
出展作家:
知念ありさ/リヴィタル・コーエン&テューア・ヴァン・バーレン(Revital Cohen & Tuur van Balen)/八谷和彦/HATRA+Synflux/本田健/AKI INOMATA/伊阪柊/石上純也/川内倫子/Keiken/キヲク座/Klima /黒沢聖覇/ステファノ・マンクーゾ(Stefano Mancuso)/毛利悠子/長坂有希/中園孔二/小谷元彦/小野寛志/クロエ・パレ(Chloe Paré)/坂本龍一+YCAM InterLab/佐藤亜矢子/篠原雅武/スプツニ子!/エレナ・トゥタッチコワ(Elena Tutatchikova)/渡辺育+井上岳/リリアナ・ザパタ(Liliana Zapata)/マリーナ・ズルコウ(Marina Zurkow)
アーティスティックディレクター:
長谷川祐子
コ・キュレーター:
石倉敏明/篠原雅武/黒沢聖覇/山本浩貴
毛利悠子, Decomposition, 2021 Courtesy Project Fulfill Art Space, Taipei; mother's tankstation, Dublin London
Keiken + George Jasper Stone, Feel My Meterverse, 2019, Courtesy of Keiken