この度、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科では、3月25日(金)より、東京藝術大学大学美術館陳列館において「ヴァーチャル・ボディ:メディアにおける存在と不在」展を開催する運びとなりました。本企画におきまして、助成いただいた藝大フレンズの皆さまに、心より感謝申し上げます。
展覧会の概要は以下のとおりとなりますので、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
企画概要
本展覧会は、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科(GA)において、キュレーション領域の学生が中心となり企画運営をする展覧会です。新型コロナウイルス感染禍に伴い私たちの日常に新しい生活様式が導入され、社会全体が大きく変化しはじめてから早くも2年が経とうとしています。本年度の企画展では、このウィズコロナ時代において私たちを取り巻く社会状況を包括的に捉え、また、個人というミクロなレベルで私たちが日々対峙しているリアルに迫ります。
展覧会紹介
「ヴァーチャル・ボディ:メディアにおける存在と不在」展では、日本、チリ、中国、ドイツ、メキシコ、そしてアメリカを拠点に活動する14名のアーティストが、ポストコロナの時代について「ヴァーチャリティ」をテーマに考察します。新型コロナ感染拡大は、身の回りの世界との関係性や自己という概念に多大な影響を与えています。現代社会におけるデジタル・メディアの領域では、SNSにおける二極化やフェイクニュースの政治的利用が多発しています。しかし、仕事や教育の場をはじめ、人との関わりによって成り立っている私たちの日常生活では、オンライン・コミュニケーション・ツールや各種メディアは不可欠な存在となりつつあります。こうした状況のなかで意識せざるを得ないのは、健常性、年齢、社会階級、ジェンダー、人種、スピリチュアリティや精神性を抱える私たちの身体そのものではないでしょうか。同時に、多様な可能性を提示する「体(ボディ)」という概念は、他の「体」と共生する未来を想像させます。それは動物や植物、テクノロジーやデジタル・ゴーストとの関わりのなかで、人間という姿形が解体されていくことを示しているのかもしれません。
1.「ヴァーチャル」と「体」をキーワードに据え、ウィズコロナの時代に生きる私たち自身について、デジタルメディアや他の生物との関係性といったさまざまな観点を探究する最先端の現代美術作品をご覧いただけます。
2.本展は多様な専門背景と国籍の若手キュレーター・チームによって企画されており、チリ、メキシコ、ドイツ、中国など国内外から未だ注目されていない新鋭作家12名を招聘します。
3.キュレーター・チームと出展作家による多言語対応(日・英・西・中・韓)の展覧会ツアーをお楽しみいただけます。
展示会情報
展覧会名:ヴァーチャル・ボディ:メディアにおける存在と不在
会期:2022年3月25日(金)-4月10日(日)
開館時間:10:00-17:00(入場は閉館の30分前まで)、月曜休館、入場無料 ※事前予約制
出展作家:アグスティン・ゼハーズ / 魏子涵 / カルラ・レイヴァ / 近藤銀河 / 鄭波 / 章梦奇 / 李舜 / スライム・エンジン / セバスチャン・シュメーグ+シルヴィオ・ロルッソ+ロレム / タクティカル・テック / フェリペ・リヴァス・サン・マルティン / 八島良子
会場:東京藝術大学大学美術館陳列館 (〒110-8714 東京都台東区 上野公園 12-8 美術学部側構内)
主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻
共同キュレーター:アリウェン|平河伴菜|閻喜月|張琳|鄒林希|呉昱衡|チョ・ヘス|金宣
特別協力:下向智也|李静文
監修:長谷川祐子[東京藝術大学教授、金沢21世紀美術館館長]
共催:一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン |助成:藝大フレンズ、公益財団法人 野村財団
メインビジュアル:ショウ・キ
Website:virtual-bodies.com
お問い合わせ:050-5525-2725 (東京藝術大学際芸術創造研究科教員室 / 担当:知念ありさ)
Slime Engine, Headlines 1, 2020
Commissioned by Chronus Art Center, Art Center Nabi and Rhizome, Courtesy of the artist and MadeIn Gallery
Sebastian Schmieg, Silvio Lorusso, LOREM, Platform Ghosts, 2020
Photo by Hrvoje Franjić © Silvio Lorusso + Sebastian Schmieg + LOREM