この度、東京藝術大学大学美術館陳列館において「彫刻--気概と意外」展を開催する運びとなりました。助成をいただいた藝大フレンズの皆さまには、心より感謝申し上げます。
この展覧会は東京藝術大学彫刻科教員が企画し開催するもので、1997年に始まり今回は第9回目になります。
成長から成熟へ社会の移行が唱えられる時代を迎えても、消費のスピードは衰えず社会の価値はめまぐるしく変化を続けています。角がとれてのっぺりとした均質なこの時代に、ものを作る、とりわけ彫刻をつくるという非効率的ともいえる行為は時代錯誤なのかもしれません。近年、美術が様々に姿を変え、アートとして社会に浸透しその存在意義は高まっています。
しかしながら、アートの中で「彫刻」という概念が必要とされなくなる危惧は消えません。
彫刻を作るならば困難に立ち向かう「気概」を持ち、やはり未来につながるものを目指すべきと考えます。それには、素材と歴史に向き合いな がら、自己の向こう側からやってくる「意外」を迎える準備を怠ってはいけないと思うのです。
多様な美術表現の溢れる現在、荒野ともいえるアトリエで、彫刻の可能性を信じ、粛々と作り続けている作家達の「気概」と、作り手の意図を超えた「意外」をも取り込んだ現代の彫刻表現を発信します。
<会期>
2016年9月28日(水)〜10月10日(月・祝) 10:00〜17:00
入場無料 会期中無休
*9月30日(金)・10月7日(金)は19:00まで
<会場>
東京藝術大学 陳列館
<出品作家>
池島 康輔/井田 大介/伊東 敏光/井原 宏蕗/大竹 利絵子/今野 健太/高見 直宏/原 真一
<関連企画>
アーティストトーク10月10日(月・祝)14:00より
<フレンズ会員特典>
・会員向け特別ギャラリートーク
・カタログの進呈(希望者のみ)