春暖の候、みなさまにおかれましては益々ご清栄にお過ごしのことお慶び申しあげます。
おかげさまで、本年も当研究室の研究業績をご報告する季節がやってまいりました。
修復研究におきましては、関係各位のご協力のもと、本年も多くの貴重な彫刻文化財の修復研究に携わることができました。
また古典技法研究の一環として、新規造像(模刻)のご依頼も年々増しており、ご支援いただきました皆様には感謝を申し上げるばかりです。
また学生の模刻研究では、修士課程の伊谷勇哉が「お仏壇のはせがわ賞」、博士後期課程の中村恒克が「お仏壇のはせがわ賞特別賞」に選ばれるなど、学生の研究も着実に成果を上げつつあります。
そして今回は、本学「正木記念館2階」へ展覧会場を移し、新たな装いでご覧いただく予定です。
本年も、ひとりでも多くの方々にご覧頂き、研究室活動へのご理解を深めて頂きますとともに、みなさまのご支援の賜物である若く有為な彼らの活躍を願ってやみません。
どうかこれからも変わらぬご厚誼を賜りますよう、かさねてお願い申し上げます。
東京藝術大学大学院 美術研究科
文化財保存学専攻 保存修復彫刻研究室
教授 籔内 佐斗司