場所:東京藝術大学奏楽堂
東京藝術大学音楽学部邦楽科には、長唄、三味線音楽、箏曲、能楽、邦楽囃子、尺八、日本舞踊、雅楽の専攻があります。
和楽の美は、こうした様々なジャンルが共存する藝大という環境を生かし、邦楽科ばかりでなく音楽学部の他科(西洋音楽)や、美術学部の教員、学生と協力して、専門の壁を超えた新しい邦楽の舞台作品の創作および上演をしています。
2013年は巳年ですが、日本で蛇は古くから弁財天の使いとされています。弁財天は水の神様、そして弁財天が琵琶を弾く姿が一般化すると、やがて芸能とくに音楽の神として祀られるようになり、それにまつわる音楽作品が作られました。
今年度は、巳や弁天といった日本古来の、とくに水の信仰にまつわる物語を題材として音楽で綴る作品を舞台化し、
皆様に伝統芸能を大切にする心を再認識していただけるよう企画致しました。
和楽の美は、本学の演奏芸術センター主催で平成14年に始まったシリーズです。
美術や伝統音楽、舞踊などの専門家たちの自由な発想によって繰り広げられる和楽の美の舞台は、
伝統音楽の各ジャンルの典型的な舞台面のみに縛られることはありません。たとえばコンピュータグラフィックが用いられたり、
あるいは美術学部ならではの最高の技術で、あっと驚くような舞台面が披露されたりするのも、和楽の美の楽しみのひとつです。
伝統邦楽に詳しい方々にはもちろん、伝統に馴染みの薄い方々にも同様、充分御満足いただけるような舞台を制作いたします。
幅広い年齢層の方々にとって楽しく、分かりやすく、親しみやすく、かつ本格的な、これからを生きる伝統芸能を知っていただける絶好の機会となること思います。ぜひ楽しみにご来場下さい。(統括 萩岡松韻)
※写真は前回の内容です。