日時:平成24年12月7日(金)‐12月24日(月・祝)
場所:東京藝術大学陳列館1F, 2F
この度、美術家であり、また東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授であった渡辺好明氏の遺作展を本年12 月7日より東京藝術大学大学美術館陳列館にて開催します。
渡辺好明氏は2009 年11 月に突然の死によってその美術家としての余りに早い生涯を閉じました。氏の代表作である、蝋燭の火や水を素材としたインスタレーション「光ではかられた時」は、静謐とダイナミズムを同時に併せ持ち、私達の生を鮮やかに照らしだす(映しだす)表現として今もなお深く記憶されております。
しかし、氏が私達に残したものは、それら美術作品だけではなく、長く東京藝術大学の教員として後進の指導にあたりながら、先端芸術表現科の体制整備に尽力し、ドイツの美術大学(デュッセルドルフ美術大学、バウハウス美術大学)との交流、取手校地を中心に様々なアートプロジェクトを起ち上げるなど、地域の文化育成にも多大な貢献をいたしました。
日本の現代美術に於いて重要な存在であるアーティストでありまた同時に優れた教育者でもあった氏が全身全霊で取り組み情熱を注いだ数々の作品と業績は現在も脈々と息づき、氏の作品の蝋燭の灯火のごとく私達を照らしております。
今展では、氏の生涯に於いて広範に渡る活動の一端を紹介し、あらためて渡辺好明という稀有なアーティストの姿をご紹介したいと思います。どうぞ宜しくご高覧の程お願い申し上げます。