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東京藝術大学

ホーム藝大とあそぼう2012 ジョン・ケージ生誕100年記念「現代音楽なんかこわくない」

演奏藝術センター2012.04.05

藝大とあそぼう2012 ジョン・ケージ生誕100年記念「現代音楽なんかこわくない」

日時:平成24年7月7日(土)15:00開演 場所:東京藝術大学奏楽堂

 「藝大とあそぼう」は台東区との連携で開催している、子どもたちとそのファミリーを対象としたコンサートです。「大人も子どもも楽しめる」ということをモットーに、毎回さまざまな工夫を凝らし、ご好評をいただいています。

今回の「藝大とあそぼう」では20世紀の音楽、いわゆる「現代音楽」を取り上げます。皆さんは「現代音楽」を聴いたことがありますか?おそらく"ない"とおっしゃる方が、多いのではないでしょうか。確かに「現代音楽」は、広く聴かれている音楽とは言えません。理由はいろいろありますが、もっともよく耳にするのが"「現代音楽」は難しくてよく分からない"という声です。でも、ちょっと待ってください。果たして本当に「現代音楽」は難しいのでしょうか?

「現代音楽」には、メロディーやハーモニーのないものが多いので、とっつきにくい面があるのは否めません。しかしそれは絵画の世界に、「具象画」と「抽象画」の違いがあるようなものではないでしょうか。モーツァルトやベートーヴェンの音楽が「具象画」だとすれば、「現代音楽」は「抽象画」です。そして皆さんが「抽象画」を見て、もし"難しい"と感じるなら、それは画面から意味をくみ取ろうとするからではないでしょうか。芸術にはもちろんそこに込められた意味があるのですが、まずは「感じる」ことが大切です。そしてそこから何を感じるかは、見る人、聴く人の自由です。

今年2012年は20世紀を代表する二人の作曲家、アメリカのジョン・ケージ(1912〜1992)の生誕100年、没後20年、そしてフランスのオリヴィエ・メシアン(1908〜1992)の没後20年の記念の年に当たります。ケージはさまざまな音楽的実験によって、「音楽の概念」そのものを根底から揺るがした人で、ピアノの弦の間にボルトやネジなどをはさんで、ピアノの音色を打楽器のように変えてしまう「プリペアード・ピアノ」の発明者としても有名です。一方のメシアンは、さまざまな鳥の声を忠実に採譜して、それらを複雑に組み合わせてオーケストラ作品に仕立てました。

 今回はこの二人の作品を中心に、本当に「現代音楽は難しいのか?」...そのあたりを探ってみたいと思います。子どもたちは大人に比べて、先入観がない分、「現代音楽」の新しい楽しみを発見する可能性も十分にあるのではないでしょうか。とにかく虚心坦懐、「体験」してみることが大切です。

 アメリカの抽象表現主義の画家、ジャクソン・ポロック(1912〜1956)は「抽象絵画は音楽を楽しむように味わえばいい」と言っています。それに倣えば、今回のコンサートは、「現代音楽は抽象絵画を味わうように楽しめばいい」ということになるでしょうか。


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