この度はフレンズ賛助金をいただき誠に有難うございます。
令和5年度は、5月と9月に奈良国立博物館へ原本の特別観覧に行き、彩色・質感の調査を行いました。直接国宝の原本を前にして作業することにより、色合わせ、及び経年劣化の再現の精度が増しました。
大学院修士1年生は墨で主線を写し取り、大学院修士2年生は、1年次完成させた線の状態から彩色の作業に移り、原本との差異をなくす作業をしました。
令和6年1月、大学院修士2年生4名が4場面を修了模写として完成させ、国宝「信貴山縁起絵巻」藝大本として東京藝術大学日本画研究室に所蔵されました。
模写事業の研究には、国立奈良博物館への現地調査や高価な天然の日本画の岩絵具など、学生の自己負担が大変多い現状でしたが、助成金の援助により負担が減りました。
藝大フレンズ会員の皆さまには、心より感謝申し上げます。
東京藝術大学大学院日本画第三研究室