秋晴れの2023年10月22日(日)、「蓄音機で聴くウラディミール・ホロヴィッツ 〜石井コレクション紹介〜」を開催しました。
附属図書館は2013年に、SPレコード研究家クリストファ・N・野澤氏が所蔵していた2万枚を超すSPレコードと蓄音機の寄贈を受け、2015年からそれを活用したコンサートを(コロナ期間を除き)毎年開催しています。図書館所蔵品を使用した学内でのコンサートではありますが、プログラムやチラシの製作費や運営スタッフの人件費などを図書館運営費から捻出するのは大変厳しいため、藝大フレンズに助成をお願いし、今年も無事に開催の運びとなりました。
今回のコンサートは、2021年に寄贈された、石井義興氏のウラディミール・ホロヴィッツの音源を網羅したコレクションを紹介するものです。フレンズの会員様を始め、熱心なホロヴィッツファンが集まった第6ホールは、開始前から熱気に包まれていました。なぜならこの日のゲスト高木裕氏が、ホロヴィッツが1970年代後半から愛用していたスタインウェイ「CD75」を会場に持ってきてくださったのです。コンサートは、高木氏のホロヴィッツのピアノへの深い愛情と、ピアノの知識に裏付けされたお話と、江口玲先生のピアニスト視点での解説を交えつつホロヴィッツの演奏を楽しむという、とても充実したものになりました。そして全てのレコードを聴き終わった後は、江口先生がホロヴィッツのピアノを弾いてくださることになりました。
「ホロヴィッツの後に弾きたいピアニストなんているのでしょうか」
と、おっしゃりつつ弾かれた、ショパンのノクターン op. 27-2がホールを満たし、コンサートは終了しました。
藝大フレンズ皆様のご支援により、無事にコンサートを開催できましたこと、心より感謝いたします。
東京藝術大学附属図書館
「蓄音機で聴くウラディミール・ホロヴィッツ 〜石井コレクション紹介〜」
日 時: 2023年10月22日(日)14:00-16:30
会 場: 東京藝術大学第6ホール(音楽学部構内)
解 説: 江口 玲(ピアニスト・東京藝術大学教授)
ゲスト: 高木 裕(ピアノプロデューサー・ピアノ技術者・タカギクラヴィア株式会社代表)
主 催: 東京藝術大学附属図書館
藝大フレンズ賛助金助成事業
観客数: 112名