本学教員、学生により10月26日(木)から10月30日(月)にかけて銀座の秋の風物詩「銀茶会」のイベントである「藝大in銀茶会」を開催しました。今年度はメイン行事である銀座伊東屋10F HandShake Loungeでの茶道具等の作品展示のほか、5年ぶりに教員が制作した茶道具を使用し野点での茶会が催されました。
茶道というテーマのもと、道具に限定せず作品の幅を広げ、教員、留学生や研究生を含めた大学院生、学部2年生以上の総勢74名、269点の出品となりました。今年度の銀茶会テーマ「樂」〜秋 銀座 日本 心穏やかに楽しむ〜は、ゆっくりと秋のひと時を楽しんで欲しいという思いが込められています。例年より作品数が多く見応えのある展示会場となりました。
今年度も、図録を製作したり、例年の銀茶会の様子をパネルにして展示したりと、工芸科の活動の理解を深めていただく活動をいたしました。
学生にとって、工芸が深く関わる茶道というテーマをもとに使用用途があるものを考え、自身の作品として制作する機会は、あらためて工芸科としての「もの作り」を見直すことにつながり、普段の制作とは違う目的と表現技法を模索することで、これまで以上に多角的な視野を求める必要性を実感できる経験となりました。また、展示空間、制作、販売、購入者とのやりとりまで学生も作家として関わることによって、今後学生が作家活動をしていくにあたり、一連の流れをより深く考え、作品の値段を含めたマネジメントに関しても考える機会を作る事が出来ました。
藝大フレンズ会員の皆様のご支援により、このような活動ができましたこと、深く感謝申し上げます。今後ともご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
藝大in銀茶会2023運営委員長
東京藝術大学 美術学部教授 前田 宏智