2022年2月13日、川口総合文化センター・リリア音楽ホールにて、藝大フレンズの皆様のご支援をいただき、東京藝術大学ユーフォニアム・チューバ科アンサンブル演奏会を開催いたしました。
今回は新型コロナウイルスの感染対策を考慮し、例年メインとして取り組んでいた大編成アンサンブルを行わない分、四重奏から八重奏までの小編成でプログラムを構成いたしました。
前半ではチャイコフスキー作曲「弦楽四重奏曲」やラヴェル作曲「クープランの墓」など、他楽器の室内楽作品をユーフォニアム・チューバアンサンブルで再構築し、お届けいたしました。前半の最後で演奏いたしましたエヴァルド作曲「金管五重奏曲第 1 番」は、本学学生である姫野七弦さんに編曲をお願いし、ユーフォニアムとチューバに加えバリトンホーンを使用した編成による、楽器の特性を活かした新たな形でお届けいたしました。珍しい編成ではありますが、 原曲の魅力ともかけ合わさり、お客様に満足いただける演奏になったのではないかと思います 。
後半はユーフォニアムとチューバのオリジナル作品で構成し、マイケル・フォーブスの「 Consequences 」やジョン・スティーブンス作曲の「Dances」など、この楽器をやっている方々にはおなじみの作品をお届けした後、プログラムの最後には本学学生である後藤元信さんに委嘱し、本演奏会では最大人数となる八重奏で「星霜を往く鍮石」の初演をお届けいたしました。鋭く強い和音の繰り返し に始まり、それが次第に崩れ変容していく中で漸次的に切り替わる音の風景が描かれた作品でしたが、ユーフォニアム・チューバアンサンブルによってまるで「時間を聴く」感覚になるこれまでにない新たな体験をしていただけたのではないかと思います。
藝大フレンズの皆様からのご支援により、多くのお客様にご来場いただき、演奏会を成功させることができました。また、コロナ禍で感染対策を行いながら準備を進めてまいりましたが、この演奏会を通し音楽面だけでなく企画運営面での今後につながる課題も見つかりました。
藝大フレンズ会員の皆様、またご協賛いただきました各企業の皆様をはじめ、ご来場いただきましたお客様に心より感謝申し上げます。
今後とも東京藝術大学ユーフォニアム・チューバ科をよろしくお願い致します。