藝大フレンズの皆様のご支援をいただき、「ゆうれいたちのソウマトウ - Phantom / Phantasmagoria」展を、無事、開催することができました。
本展示は20周年を迎えた、油画第二研究室が、小山穂太郎教授の元に、 「油画」という領域に囚われる事なく、より実践的で実験的な活動を通じて新しい表現の可能性や価値観を見出し、鑑賞者と共有することでより表現の幅を広げていく試みを実践した展覧会です。
タイトルの一部である「Phantasmagoria(ファンタスマゴリア)」は、「変幻自在の光景/走馬灯」という意味を持ち、この世界情勢への態度表明としました。
今回、展示会会場となった陳列館と正木記念館の歴史ある構造を利用し、コロナ禍において、インターネットを介した交流の過程で生まれたアイデアや作品、資料、各作家の試行などによって展覧会を構成し、会期中にはイベントや多種多様な試みが進行されました。
特に、会期中、鑑賞者にも展示に参加してもらう構造を実験し、展覧会の開催中も作品の移動や変容が試されこと、会期最終日には作品をヴェールで覆い、鑑賞者の言葉によって作品の姿を想像しながら見るという鑑賞体験を生んだことは、時間を含んだ表現を新たに取り入れられたのではないでしょうか。
依然として、新型コロナウイルス感染症が心配される中での開催ではございましたが、藝大フレンズ会員の皆様をはじめ、多くの方々にご来場いただけましたこと、心より嬉しく存じます。
出品者一同改めて厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
2021.12.23
東京藝術大学油画第二研究室企画実行委員会 一同