本企画は、東京藝術大学、金沢美術工芸大学、京都市立芸術大学、沖縄県立芸術大学による芸術文化及び学術交流を目的とした学生によるテキスタイル交流企画です。輪番制で開催地が決まっており、2020年度は東京藝術大学が開催当番校となっていました。オンライン授業も各大学手探りで進めているような状態であったため、オンライン交流についても困難で新型コロナウイルスの感染のリスクを考慮に入れ一年延期をする決断をさせていただきました。2021年も前年以上に感染症の猛威が収まらない状況下ではありましたが、これ以上交流の進行を停めるわけにも行かなくオンラインによって本企画の主旨・目的を最大限に達成できる企画内容を検討し、教員や学生の移動を回避できる交流企画と変更しました。
令和3年7月14-15日の二日間東京藝術大学染織研究室の一室を企画進行の配信拠点とし、参加四大学の教員と学生は各大学の研究室や実習室、各々の自宅などインターネット環境が良好に確保できる場所からオンラインで参加する形としました。各発表についてはパワーポイントを使用して画面共有で各自説明を加えながら行いました。発表内容は、各大学の教員1〜2名と学生の代表4名が研究制作や活動について発表し、発表毎に質疑応答の時間を取り、特別ゲストのオンライン講演会も開催しました。
オンライン企画完了後に発表を録画したものを大学間で共有し事後にも役立てるとともに、多くの発表概要をまとめた報告書を記録として残すことを含めて本企画の一連の内容としました。
これまでは展覧会とギャラリートークを主体とした企画ではありましたが、今回オンライン発表を通じての交流を試み、費用や移動人数の制限が取り除かれたことでより多くの学生・教員の参加を実現することができ、大学間交流や学生間交流の新たな可能性が生まれたように感じています。企画タイトル「つながる糸、ひろがる布」のように本交流企画を通し大学間や個人間のネットワークが、多様な方法によってより一層拡がっていくようこれからも努力します。
ゲスト講演の実施を含め記録としても報告書の作成を実現し、この企画を広く周知できたことは、藝大フレンズ賛助金の助成を無くしては考えられませんでした。この企画完了報告の機会をお借りしまして藝大フレンズ会員の皆様に感謝申し上げます。