「藝大コレクション展 2021 I 雅楽特集を中心に」関連映像の上演事業を終えて
藝大フレンズの皆様のご支援を頂き、本事業を開催できましたこと、心より御礼申し上げます。ここに、本事業のご報告をさせていただきます。
期間:2021年7月22日(木)- 8月22日(日)
場所:東京藝術大学大学美術館 展示室2
東京藝術大学では、「雅楽」を題材とする美術作品(楽器の演奏や舞楽の図による絵画や工芸作品)および楽器類を数多く所蔵しています。本展示ではそれらの中から、小堀鞆音《陵王》、土佐光信筆伝《舞楽屏風》模本作品、藤原貞幹《信西古楽図》模本作品をはじめ選りすぐりの作品を公開いたしました。
本事業では、音楽と美術が提携し、複合的で奥深い芸術鑑賞の機会をご提供できればと考えました。そして、ご来館のみなさまに出品作品に対する理解を深めていただくために「雅楽の楽器の音色」「舞楽装束の着付け」「舞楽装束を着けた姿と絵画作品の比較」の動画上演に向け、本学邦楽科の全面的な協力のもと撮影を試みました。
なお、本展覧会におきましては、新型コロナウイルス感染症が大変懸念される時期でもありましたため、展示室内で行う演奏およびレクチャー(フレンズ会員様向け)を断念し、展覧会会場内で、本事業にて撮影致しました映像の上映のみを行うことになりました。また、展覧会にご来場くださいました藝大フレンズ賛助金助成事業会員様には、特典パンフレット「舞楽《陵王》について」(A4サイズ 4頁)を進呈させていただきました。
【上演映像の内容】
(1) 舞楽《陵王》装束の着付け
本学所蔵作品である「舞楽《陵王》の装束」を用いて、実際に装束を着けて、舞楽《陵王》による所作を撮影しました。そして、その所作と展示室内の「陵王を描いた作品」を比較できるよう映像を仕上げました。
*撮影に使用した「装束と面」は、明治44年(1911)に東京美術学校で開催された「上宮太子祭」(国華倶楽部主催)の奉納舞楽に用いられ、面は竹内久一[当時の彫刻科教授]が東大寺の陵王面「正元元年(1259)銘」を参考に制作、装束は高田茂装束店製のものです。いずれも本学の所蔵品として大切に保管しています。
[出演者]
舞楽「陵王」舞の所作 :八槻純子非常勤講師
着付け:三浦元典非常勤講師、纐纈拓也前教育研究助手
[映像URL]
web教材「アジアの楽器図鑑 日本篇 雅楽-陵王の装束」
https://www.geidai.ac.jp/labs/koizumi/asia/jp/japan/knw07/002209_shozoku.html
(2) 楽器の音色を聴く:管絃「平調 越殿楽(部分)」(独奏篇)
雅楽(管絃)は、八種類の楽器(鞨鼓、太鼓、鉦鼓、琵琶、箏、笙、篳篥、龍笛)による合奏です。本事業では、それぞれの楽器の持つ音色および旋律がを楽しんでいただくために、個別の楽器による管絃「平調 越殿楽」の個別(一部合奏)演奏を撮影しました。また、各楽器の演奏を伝授する際に用いる「唱歌(しょうが)」の演奏も併せて上演動画に加えました。
[出演者]
三浦元典非常勤講師(鞨鼓、篳篥、箏)
八槻純子非常勤講師(鉦鼓、笙)
纐纈拓也前教育研究助手(太鼓、龍笛、琵琶)
[映像URL]
web教材「アジアの楽器図鑑 日本篇 雅楽」
https://www.geidai.ac.jp/labs/koizumi/asia/jp/japan/kakko/002277-2.html
*本展覧会展示室内の上演映像は、展覧会の終了後よりweb教材「アジアの楽器図鑑」(本学音楽学部小泉文夫記念資料室制作)にて発信しております。
[画像キャプション]
(右上から)(1)三浦元典非常勤講師(鞨鼓)、(2)纐纈拓也前教育研究助手(太鼓)、(3)三浦元典非常勤講師による「舞楽《陵王》装束」着付け、(4)展示室の「舞楽《陵王》装束」、 (5)八槻純子非常勤講師による「舞楽《陵王》舞の所作」、(6)小堀鞆音《陵王》本学蔵、(7)藝大フレンズ賛助金助成事業会員様ご進呈の特典パンフレット、(8)八槻純子非常勤講師(笙)、(9)三浦元典非常勤講師と纐纈拓也前教育研究助手による「舞楽《陵王》装束」着付け、(10)展示室内の映像視聴コーナー
主催:東京藝術大学大学美術館
協力:東京藝術大学音楽学部邦楽科、東京藝術大学音楽学部小泉文夫記念資料室
撮影・編集・制作:本学音楽学部小泉文夫記念資料室(尾高暁子、松村智郁子、大原崇嘉)