本学教員、学生により10月28日(木)から11月1日(月)にかけて銀座の秋の風物詩「銀茶会」のイベントである「藝大 in 銀茶会」を開催しました。昨年度はcovid-19の影響で銀茶会自体が中止となりましたが、今年度は展示会をメイン行事として、銀座伊東屋10F HandShake Loungeにて茶道具等の作品展示販売を行いました。
茶道というテーマのもと、道具に限定せず作品の幅を広げ、教員、留学生や研究生を含めた大学院生、学部3年生以上の総勢48名、134点の出品となりました。今年度の銀茶会テーマ「ひと会」は、私たちにとって、人と人が何の気兼ねもなく会うことがどれほど大切だったかという思いが込められています。銀座伊東屋の会場を生かすため、本学作品による取り合わせ展示を、座りながらリラックスしてご覧いただけるようソファー前に設えました。その他の展示も、例年よりゆったりと設置し、展示会場内のソファーなどでくつろげる空間を演出しました。
今年度は、図録を製作したり、例年の銀茶会の様子をパネルにして展示したりと、工芸科の活動の理解を深めていただく活動をいたしました。また、茶席は設けられませんでしたが、和菓子を菓子皿の作品に飾り撮影をして写真展示をいたしました。
学生にとって、工芸が深く関わる茶道というテーマをもとに使用用途があるものを考え、自身の作品として制作する機会は、あらためて工芸科としての「もの作り」を見直すことにつながり、普段の制作とは違う目的と表現技法を模索することで、これまで以上に多角的な視野を求める必要性を実感できる経験となりました。また、展示空間、制作、販売、購入者とのやりとりまで学生も作家として関わることによって、今後学生が作家活動をしていくにあたり、一連の流れをより深く考え、作品の値段を含めたマネージメントに関しても考える機会を作る事が出来ました。
藝大フレンズ会員の皆様のご支援により、このような活動ができましたこと、深く感謝申し上げます。今後ともご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
藝大 in 銀茶会 2021 運営委員長
東京藝術大学 美術学部教授 前田 宏智