第67回 藝大オペラ定期公演《魔笛》 ご報告
オペラ研究部
■ 経済的支援への感謝
総合舞台芸術であるオペラ公演には、事実多大な経費がかかります。昨今のオペラ界を見渡しましても、本学の様にあるレヴェルを保って定期公演を開催できることは、教育上ならびに社会への還元という大学に課せられた役割からも、大いに意義深いことです。これは、藝大フレンズをはじめとする大学内外の大きなご理解・ご協力の賜物であり、心から感謝申し上げる次第です。
■ オペラの制作課程
昨年度、次年度の公演日程が決定しましたら出演者の中核となる大学院2年生の各声種等を鑑み曲目を決定します。指揮者・演出家をほぼ同時期に選考依頼し、ダブルキャスト成立のために助演(非常勤講師・外部助演)の配役も決定致します。授業(稽古)日程及び予算計画に従い、4月から通常授業内(週3日)での音楽稽古がスタート、6月からは立ち稽古を開始し7月下旬まで行います。夏休み後、8月後半には5日間の夏期集中稽古、9月の立ち稽古、オーケストラ合わせ等を経て奏楽堂舞台での総稽古を行い10/9・10の公演を迎えております。今年は、K .H.P.までは全員マスクを着用して歌唱、一部オンラインにて稽古を進める等、感染症対策も行いながら稽古を進めました。
広報・寄付協賛等の支援者募集や印刷関係については、8月の入場券発売日に合わせて、上記授業の進行と平行して行っております。そして演出家を交えた舞台装置・衣裳・照明関係のスタッフ打ち合わせ等も稽古(授業)と平行して行い、各業者との予算のすりあわせ等を経て、公演の一週間前からは奏楽堂舞台での作業となっております。舞台セットも感染症対策を考慮し、歌唱エリアはパーテーションで仕切る等工夫致しました。
■ 公演の成果など
歌手(出演学生たち)は、オペラ全曲を集中して稽古し本番を経験することで歌唱・演技表現の深みが増すものです。今回も助演の先生方、そして藝大フィルとの共演によってキャストの大学院生たちも完成度の高い公演を創り出しました。指導にあたった先生方、裏を支えた下級生たちの尽力は多大で、藝大オペラそのものが小社会を形成しております。これら一連の長期に亘る経験は、人材育成という面でも大いに成果があったと自負しております。合唱として参加した学部3年生も、今後の学習・研究にとって大いに価値ある経験となったはずです。
◆10月7日のゲネプロ写真(非公開、10月9日キャスト)
第1幕 夜の女王登場シーン
第1幕 タミーノ・童子の重唱シーン
第1幕 モノスタトス・奴隷のシーン
第1幕 フィナーレ
第2幕 ザラストロ・男声合唱のシーン
第2幕 パパゲーノ・パパゲーナ
第2幕 試練のシーン(火の試練)
第2幕 試練のシーン(水の試練)