東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科では、皆様のご支援のもと「2019年度東京藝術大学大学美術館陳列館展『Alter-Narratives』」を開催し、この度、同展カタログを上梓いたしました。
本展覧会は、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科において、長谷川祐子教授監修のもと、キュレーションを専攻する国際色豊かな学生5名が主体となり、一から展覧会を企画運営しながらキュレーションを学ぶための実践研究です。
刻々と変化し続ける現代の多様な価値観を、キュレーターそれぞれの視点から捉え合わせることで、新たな文脈を提示すること、また、多くの鑑賞者からの様々な反応を得ることで新たな学びを獲得することを目的とし開催しました。
また現在、新型コロナウイルスをめぐり世界情勢が刻一刻と変化しています。このような状況に対応し、本展は現実空間で実際に作品を展示するのではなく、オンライン上で展示を開催いたしました。ウイルスの拡大による外出自粛や禁止といった状況下でもリーチできる形式で展覧会を実施することで、より多くの人々が作品を観賞し、よりよい未来について考える機会を創り出すことを目指しました。
【コンセプト】
私たちは日々、常に一つの可能性として目の前に立ち現れる現実を生きています。しかし、その背後には起こりえたかもしれない無数の物語が広がっていることを忘れてはなりません。本展「Alter-narratives?ありえたかもしれない物語?」は、絵画・映像・インスタレーションといった多様な作品を新たにオンラインに合わせて展示することで、さまざまな可能性が織りなす過去・現在・未来にまつわる物語を再編します。
私たちが生きている今とは異なる世界を想像し、批判的な思考をもって未来に対峙することを試みる本展をぜひご高覧下さい。
展覧会はすでに終了してしまいましたが、アーカイヴコンテンツを同ウェブサイトよりご覧いただけますので、ぜひご査収くださいますと幸いです。
[web site] https://alternarratives.geidai.ac.jp/
また、本展カタログに掲載をしております4名の方の論考を国際芸術創造研究科HPにおいて近日公開予定となっております。
今回、皆様の助成のおかげで、こうした緊急事態におきましても、なんとか展覧会を開催し、同時にこれまで以上に内容を充実させたカタログを制作することができました。助成いただきました藝大フレンズの皆様には、心より御礼申し上げます。
【開催概要】
主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻
共催:一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン
協賛:startbahn, inc.、Daps株式会社
助成:藝大フレンズ
監修:長谷川祐子(東京藝術大学大学院教授・東京都現代美術館参事)
共同キュレーター:岩田智哉、原田美緒、鄭智秀、金秋雨、Jying TAN
(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻キュレーション領域修士課程在籍生)
ウェブエンジニア:余湖雄一
ウェブデザイナー:岡田将充
Special Thanks: 四谷未確認スタジオ
カタログ(表紙) デザイン:岡田将充