本年も藝大フレンズの皆様に助成いただきましたおかげで、国宝「信貴山縁起絵巻」現状模写事業に取り組むことができました。ひとかたならぬご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
当事業は、東京藝術大学大学院日本画第3研究室が主体となり、2017年度より2028年度までの11年計画で進めていく事業です。奈良国立博物館に所蔵されている国宝「信貴山縁起絵巻」の現状模写を大学院修了模写として学生一人につき1場面を担当し、2年の歳月をかけて取り組みました。制作された模写は年度末の修了展に出展した後、東京藝術大学日本画研究室の収蔵となります。今回は修了展期間中の2020年1月30日に、フレンズ会員の皆様を招待し、今年度完成の現状模写5作品と、それぞれの日本画作品のお披露目会を催しました。1000年の時を経た国宝「信貴山縁起絵巻」をじかに観覧し、学生達が感じ取ったことや制作する上での体験談等を、学生と担当教員の手塚雄二教授・吉村誠司教授を交えて藝大フレンズ会員の皆様と談義しました。文化財保護の視点のみでなく、史的価値も非常に高い事業として、今後新たな発見が期待されます。有難いことに多方面からの注目を浴びることとなりました。
皆様の助成により、展示会場の整備や、充実した配布物・資料などを作成することができたため、事業の質を向上させることができました。出品者一同、心より感謝致しております。来年度も何卒宜しくお願い申し上げます。