本年も藝大フレンズの皆様に助成いただきましたおかげで、東京藝術大学大学美術館陳列館において「日本画第二研究室 素描展」を開催することができました。ひとかたならぬご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
第14回目となる今回は、展覧会のテーマとして近代日本画を代表する作家の素描と現代の私達の素描を比較展示し、作家の素描を通した創作との向き合い方について検証致しました。近代日本画を代表する作家の事例として、大学美術館所蔵の狩野芳崖、小林古径、小堀鞆音の素描をお借りし、ご覧いただきました。素描を行う目的は模索や記録など様々ですが、今も昔も変らずに続けられている制作上欠かすことの出来ない重要な行為です。時代の流れにより紙の質や描画道具など移り変わった点などもありますが、素描というものが絵を描くための研究過程として極めて重要なものであるという事に変わりはありません。
今回の素描展は、作家が日々それぞれの視点の中で描き留めた写生やドローイングなどの「記録のための素描」、作家の本画制作に直結している「本画に繋がった素描」の2種類に素描を分類し展示しました。今回の素描展を通し、作家と素描の関係性についてさらに理解を深めて頂ければ幸いです。
展示空間の構成・演出、及びポスター・リーフレット・ダイレクトメールの作成は学生主体で行いました。
皆様の助成により、展示会場の整備や、充実した配布物・ポスターなどを作成することができたため、展覧会の質を向上させることができました。出品者一同、心より感謝致しております。来年度も何卒宜しくお願い申し上げます。