2017年6月8日〜6月18日に東京藝術大学大学美術館陳列館にて、藝大フレンズのご協力のもと、展覧会「Japan-China Textile Art Exhibition ―ひろがる布 つながる糸―」を開催致しました。東京藝術大学工芸科染織研究室は中国清華大学美術学院と2014年に第一回目の交流展及びシンポジウムを中国清華大学において行なっています。これとは別に、2013年より毎年、金沢美術工芸大学及び京都市立芸術大学の染織を学んでいる学生による交流展を実施しています。そしてこの度、二つの交流展を合一し、4つの大学の学生・教員を合わせた総勢37名によるテキスタイルアート国際交流展を開催するに至りました。
本展は、教育現場でできる新たな提案を喚起し、今後を担う学生達が社会において活躍できる環境づくりを恊働することが、本交流展の意味するところです。また、作品展示に加えシンポジウムを行なったことで、互いに芸術系の大学であり、同様のカリキュラムに添って同様の授業を進めていながら、随分と違った内容であることが理解できたことは大きな成果でありました。国や地域の成り立ち、あるいは各大学の伝統など歴史的時間経過により積み重ねられてきたことも相互に認め合い、その価値を共有することができました。
各大学の教員達も、本企画により相互の教育環境を知ることができ、意見の交換によって問題解決の糸口が見え始めたなど、充足感を得たようでした。
本展において「グローバル化や価値観の変容に対応出来る教育のかたち」という、言わば命題とも言えることに対して、明確な指針を見出すためにも、今後、回を重ねながら取り組んで参ります。
この度、藝大フレンズ会員の皆様からの多大なるご支援により、本企画が開催できましたことに、心より御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
東京藝術大学美術学部
工芸科 染織研究室
*シンポジウム・ギャラリートーク風景