「うらめしや〜、冥途のみやげ展」本展開催記念 能楽公演を終えて
日時:平成27年8月21日(金)午後1時〜午後2時半(第1部)、午後3時半〜午後5時(第2部)
場所:東京藝術大学音楽学部第4ホール
大学美術館にて開催の展覧会「うらめしや〜、冥途のみやげ展」の関連事業として能楽公演を行いました。本公演は、日本美術における〈うらみ〉の表現に焦点をあてた展覧会の関連事業として企画致しました。能楽公演と展覧会の異分野のコラボレーションにより、「美術から能楽を」「能楽から美術を」という双方向の芸術鑑賞体験となったのではないでしょうか。
本公演は、武田孝史教授(本学邦楽科能楽宝生流)、関根知孝教授(本学邦楽科能楽観世流)、宝生和英(宝生流第二十世宗家、2013年より本学と公益社団法人宝生会との連携・協力による)をはじめ、卒業生の方々のお力添えにより実現致しました。
そして、藝大フレンズの皆様のご支援を頂き、このような公演を開催できましたことに、心より御礼申し上げます。この度は、誠にありがとうございました。
[内容]
展覧会と能楽公演の企画意図
独吟「葵上」:六条御息所の心中は、光源氏をめぐる葵上への恨みが消えない。
展示作品・日本画《焔》[上村松園筆,1918,東京国立博物館蔵]より
独吟「船弁慶」:荒れ狂う海上に現れた平知盛の怨霊は平家を滅ぼした義経を襲う。
展示作品・工芸品《霊怪士》[作者不明, 桃山時代, 国立能楽堂蔵]より
仕舞「藤戸」:藤戸の合戦で息子を海に沈めた佐々木盛綱を、母は恨み嘆く。
展示作品・工芸品《二十余》[作者不明, 江戸時代, 国立能楽堂蔵]より
独吟「砧」:夫を待ちわびる妻は、砧を打ちながら悲嘆に暮れて苦悩する。
展示作品・工芸品《痩女》[作者不明, 江戸時代, 国立能楽堂蔵]より
能「鉄輪」:自分を捨てた男を恨み、女は鉄輪を頭に現れる。
展示作品・工芸品《橋姫》《生成》[作者不明, 室町時代, 国立能楽堂蔵]より
[出演者]武田孝史、関根知孝、宝生和英、野月聡、小倉伸二郎、高橋憲正、佐野弘宜、川瀬隆士、木谷哲也、田崎甫、宝生欣哉、則久英志、野口能弘、中村修一、内藤連、藤田貴寛、住駒充彦、佃良太郎、小寺真佐人
[主催]東京藝術大学音楽学部邦楽科、東京藝術大学大学美術館
[協賛]株式会社神宗、倶楽部あし田、東京都仏教連合会、株式会社 大入、有限会社 六文舎
[助成]藝大フレンズ賛助金助成事業、公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団、東京藝術大学音楽学部同声会、
[協力]公益社団法人 宝生会
[企画・製作]東京藝術大学大学美術館
[監修]武田孝史
[ディレクション]古田亮 准教授(東京藝術大学大学美術館)、松村智郁子 学術研究員(東京藝術大学音楽学部小泉文夫記念資料室)
[撮影]久保仁志 教育研究助手(東京藝術大学音楽学部小泉文夫記念資料室)、松村智郁子