藝大フレンズ 各位
■ 経済的支援への感謝
総合舞台芸術であるオペラ公演にはご存知のように経費がかかります。昨今の社会状況の中オペラ定期公演を毎年開催できますことは、藝大に課せられた義務の一つ〜社会への還元〜という面でも大いに意義深いことと感じております。これは、偏に藝大フレンズをはじめとする大学内外からの大きなご理解・ご協力の賜物であり、心から感謝申し上げます。
■ オペラの制作課程
前年度(2014年)の定期公演終了後に、今年度の公演日程と出演者の中核となる大学院2年生の各声種等を考慮し、学生たちの声を最大限発揮できる曲目を決定しました。同時に指揮者・演出家を選考決定し、ダブルキャストによる組み合わせを決定します。新年度4月から音楽稽古をスタートし6月からは立ち稽古を開始し7月下旬までで夏期休暇にはいります。8月後半には奏楽堂(2015年は第6ホール)で5日間の夏期集中稽古、9月の立ち稽古、オーケストラ合わせ等を経て、奏楽堂舞台で本番通りの総稽古(ゲネプロ)を行い10月3日・4日の公演を迎えました。
一方で、舞台装置、衣裳、照明等の打ち合わせを稽古(授業)と平行して数回行い、衣裳合わせやかつら合わせなど各セクションが準備を整えます。公演一週間前から各セクションとも公演会場である奏楽堂での作業となり本番を迎えております。
■ 公演の成果など
歌手(出演学生たち)は、オペラ全曲を集中して稽古し本番を経験することで歌唱・演技表現の深みが増すものです。今回も大学院生が好演し、藝大フィルとの共演が完成度の高い公演を実現しました。指導陣・裏を支えた下級生たちの尽力も多大で、オペラそのものが小社会を形成している実態がここにあります。これら一連のオペラを創るという長期に亘る経験は、人材育成という面でも大いに成果があると自負しております。(補足ですが、公演はダブルキャストですので各学生にとってはたった一回の出演となります。オペラに限ったことではありませんが、観客を前にした本番経験を通して各学生が大きな成長をみることを思いますと、一つの例ですが一昨年まで丸ビルで参加させて頂いておりました「藝大アーツin東京丸の内」でのオペラ・ハイライト公演など、復活して頂けないものかと願っております。)
10月4日公演
舞台写真(TAKE-O)