蓮見智幸回顧展「宇宙色(そらいろ)のかたち」
―ご報告―
藝大フレンズ会員の皆様へ
■会期：2015年5月20日（水）〜6月7日（日）
午前10時 ― 午後5時（入館は午後4時30分まで） 月曜日休館
■会場：東京藝術大学大学美術館陳列館（1,2F） 東京都台東区上野公園12−8 東京藝術大学構内
■助成：東京藝術大学宮田亮平学長学術研究基金、東京藝術大学美術学部、藝大フレンズ
■協賛：北越紀州製紙株式会社
その他、多くの皆様の寄付金、ご協力によって運営されました
■主催：東京藝術大学美術学部デザイン科
蓮見智幸回顧展「宇宙色(そらいろ)のかたち」を、2015年5月20日から6月7日までの月曜日を除く17日間に渡って開催致しました。本展は蓮見智幸先生の教育と研究を回顧するとともに、後進の若者たちに先生の作品やデザインを広く紹介し、功績と軌跡を伝えたいと企画したものです。
東京藝術大学美術学部デザイン科教授を務められた蓮見先生は、2009年5月、54歳の若さでこの世を去られました。そして今年の5月で七回忌を迎えました。蓮見先生の母校であり長年教鞭を執られた東京藝術大学で作品展示を行うことで、先生の教育と研究を回顧するとともに、後進の若者たちに功績と軌跡を伝えたいと考え企画しました。
蓮見智幸先生は1955年埼玉県に生まれ、1980年東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業し、1982年同大学大学院修士課程を修了しました。在学中は当時准教授であったグラフィックデザイナーの福田繁雄先生に師事し、大学院修了後は、1985年より同大学の常勤助手を務め、その後、1993年に東京藝術大学専任講師に就任し、1995年准教授、2007年教授と長く本学の教育研究活動に携わりました。
専門分野であるグラフィックデザインでは、主に版画表現によるプリントワークと、それらのビジュアルをポスター、ロゴマーク、パッケージなどに展開させたデザインワークを世の中に送り出し活躍されました。
先生の作品の特徴である点の集合体は、リズミカルで観る者に心地よい印象を与えます。本展では、残された作品を通して、先生の仕事とその源をあらためてご紹介いたしました。
●展示内容
創作の源となった版画表現を駆使したプリントワークと、ポスターやロゴマークなどのデザインワークを中心とした作品を展示しました。また、展示と同時に、先生が愛用していた機械や道具を用いて、実際に印刷体験ができるワークショップを企画しました。
以下写真No.01―05
＜1F展示室＞
プリントワークの作品を生み出した、版を刷る際に使っていたプレス機、道具、印刷時の原版や版下などを展示しました。（写真：01〜05）
毎土日の13：00〜15：00（全6回）には、先生が愛用していた機械や道具、版下を用いて実際に印刷体験（エンボス）ができるワークショップを開催致しました。（写真：06〜08）デジタルに頼っている人口が大多数の今の時代に蓮見先生の仕事を見ていただくことは、多くの意義があったと考えています。特にワークショップを通して、忍耐と体力を必要とする先生の仕事を体験してもらったことで、それぞれの人に気付きを与え、制作や思考の可能性の幅を広げるきっかけをもたらしてくれたと考えています。また、何より楽しんでご参加いただき、制作したものを大切に持ち帰って下さり嬉しく思います。
以下写真No.06―08
＜2F展示室＞
展示名の『宇宙色のかたち』をテーマとした、点の集合体が展開されたプリントワークとデザインワークによる作品を展示しました。（写真：09）
また、5月21日（木）と23日（土）の2日間、東京藝術大学附属図書館所蔵の蓄音機による演奏会を開催していただきました。（写真：10）
http://geidailib.tumblr.com/post/119569432043
写真左No.09 写真右No.10
蓮見智幸回顧展「宇宙色(そらいろ)のかたち」は、先生の七回忌という節目に回顧展を行ったこともあり、展示を心待ちにしてくださっていた方も多く、本当にたくさんの方にご高覧いただきました。土日に開催しましたワークショップに何度も足を運んでくださった藝大フレンズ会員の方も多くいらっしゃって、嬉しく思っております。藝大フレンズの皆様の支援を頂き、このような展覧会を開催できましたことに、心より御礼申し上げます。また、この展示は、大学の関係者、企業の方々、ご友人、ご遺族をはじめ、たくさんの方々のご協力とご寄付によって開催することができました。改めて関わってくださった全ての皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
