■ 経済的支援への感謝
総合舞台芸術であるオペラ公演には、兎に角経費がかかります。昨今の社会状況の中、毎年定期公演を開催できることは、教育上も社会への還元ということでも大いに意義深いことです。これは、偏に藝大フレンズをはじめとする大学内外の大きなご理解・ご協力の賜物であり、心から感謝申し上げる次第です。
■ オペラの制作課程
前年度10月中に、公演日程と出演者の中核となる大学院2年生の各声種等を鑑み曲目を決定。指揮者・演出家をほぼ同時に選考しダブルキャスト成立のために部会決定します。新年度4月から音楽稽古スタート、6月からは立ち稽古を開始し8月後半5日間の奏楽堂での夏期集中稽古、9月の立ち稽古、オーケストラ合わせ等を経て奏楽堂舞台で本番通りの総稽古を行い10/5・6の公演を迎えます。
一方で、舞台装置、衣裳、照明の打ち合わせ等を稽古(授業)と平行して数回行い、各セクションが準備を整えます。公演一週間前から奏楽堂での作業となります。
■ 公演の成果など
歌手(出演学生たち)は、オペラ全曲を集中して稽古し本番を経験することで歌唱・演技表現の深みが増すものです。今回も大学院生が好演し、藝大フィルとの共演が完成度の高い公演を生み出しました。指導陣・裏を支えた下級生たちの尽力は多大で、オペラそのものが小社会を形成しているのです。これら一連の長期に亘る経験は、人材育成という面でも大いに成果があったと自負しております。(補足ですが、10/26.27に丸ビルで行われた「藝大アーツin東京丸の内2012」でのハイライト公演、及び11/3.4に新国立劇場オペラパレスで開催された文化庁支援の「平成25年度、大学を活用した芸術文化振興事業?オペラにおけるアートマネジメントの人材育成事業?」を受けての同演目の二公演も、観客との一体感のあった好演だったことを記しておきます。)
舞台写真(TAKE-O) 10/5の公演より
10/6の公演より