美術学部彫刻科教授の深井隆と申します。
2011年10月7日から11月6日まで、本学大学美術館にて開催した「彫刻の時間 ―継承と時間―」について、
ご紹介したいと思います。(藝大フレンズ賛助金などの助成をいただいた展覧会です)
東京藝術大学の彫刻科は、前身の東京美術学校創立以来120余年の長い歴史を持ちます。竹内久一、高村光雲の二人の教授による指導から始まった彫刻科の教育も幾多の改革を経て、数多くの彫刻家を輩出し現在に至っています。
今回の展覧会は、二つの柱で構成しました。
一つは、日本彫刻の歴史を一望できる名品―飛鳥時代の仏像から、近・現代の彫刻まで―をセレクトした展示。
もう一つは、東京藝術大学の名誉教授、現職教員の作品をご覧いただく展示です。とりわけ目玉となったのは、橋本平八の作品17点と平櫛田中の作品29点。橋本平八の作品に関しては、他に類を見ない充実度となり、好評のうちに幕を閉じました。
また、関連事業として行った講演会、シンポジウム、ギャラリートークも特記したい点です。
たとえば、ギャラリートーク。私や他の彫刻科教授陣が実際の出品作品をお客様と観て歩きながら、その場その場で解説をさせていただきました。熱心なお客様のご質問も多く、時に白熱し、時になごやかになる...という充実した時間でした。
このような展覧会で、ふだん接する機会の少ない皆様とお会いできるのも、私達の活力源となっております。今後も、ぜひさまざまな展覧会・演奏会に足をお運びいただければ、とても嬉しく思います。